2017/05/18
DHAが神経の軸索伸長促進 岩手医大が解明
”岩手医大は5日、魚介類に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)が、
神経細胞にある突起の伸長を促進する分子メカニズムを解明したと発表した。
乳幼児の脳の発達、うつ病予防などの治療に役立つ可能性がある。4日付の
米科学誌オンライン版に掲載した。
DHAは脳神経の発達や認知機能維持に重要で、認知症などの予防に効果が
あると報告されている。ただ、脳神経細胞にどのような仕組みで作用するかは分かっていなかった。
同大研究グループはラットの神経細胞を用いて実験し、DHAを投与すると軸索と呼ばれる突起
の伸びる速さが増すことを確認した。軸索は脳内にある神経細胞同士の情報のやりとりに不可欠で
脳発達期にDHA摂取の重要性を裏付けた。
DHAが神経細胞のタンパク質生合成に関わる特殊な経路を活性化させ、「Tau」「CRMP2」
という2種類のタンパク質を増やし、軸索の伸長を促すメカニズムも突き止めた。
祖父江憲治副学長は記者会見で「今後はDHAの効果を細かく分析しながら、
神経に関わる疾患に有用な岩手発の新薬開発を目指したい」と語った。”
(2016年3月6日 河北新聞より)
DHAが新しい抗うつ薬開発に有効かもしれないという記事でした。
今までの抗うつ薬のシステム
神経伝達物質はこちら側のシナプスからあちら側のシナプスに行き来しますが、
抗うつ薬がこちら側のシナプスに蓋をして、戻らないようにします。
結果として、あちら側に行く神経伝達物質が増えるというシステムです。
*うつ病は、神経伝達物質が減少して、やる気がでなくなっている状態です。
*神経伝達物質には、ドーパミン、アドレナリン、ノンアドレナリン、エンドルフィン、
セロトニン、ギャバ、オキシトシン、アセチルコリン、コルチゾールなどがあります。
(画像はUTUNETより)
岩手大学の研究により、抗うつ薬に新しい風が吹くかもしれない
岩手大学の研究でDHAは下の図の軸索の成長に寄与することを確認しました。
軸索が成長して太くなれば、神経伝達物質じたいも増えるはずです。
今までの抗うつ薬は、神経伝達物質の量は変えずに流れを変えるものでした。
DHAによる新薬は、神経伝達物質の量じたいを増やしていこうという今までに
ないアプローチの仕方です。
抗うつ薬は、多くの副作用が問題となっています。岩手大学の研究により副作用の少ない
新薬が開発されることを期待したいところです。
- 編集後記
このところ、風邪を引いている人が多い感じがします。冷房で体が冷えてしまっているのでしょうか。
寝るときは冷房禁止DEATH(です。)
(昨日の1日1新)
越谷北出張所にて住民票、印鑑証明書取得。