2017/05/18
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日銀のマイナス金利導入で頻出の用語の違いを知ろう。
マネーサプライ、マネーストック、マネタリーベースの3つの用語。
日銀のマイナス金利でよく見るようになってきましたね。
この3つの用語を一括りにしてしまうと今後の経済ニュースが何を
言っているのか分からなくなります。
逆にこの3つの用語の違いを知るだけで経済センスがついてきます。
まず、マネーサプライ
マネーサプライという用語は現在使われていません。
その代わりに使われているのがマネタリーベースという
用語です。
なので、マネタリーベースとマネーストックという用語に
ついて説明していきます。
マネタリーベースとマネーストックのちがい
マネタリーベースとは日銀が発行している日本銀行券の残高と
市中銀行の日銀当座預金残高の合計額をいいます。
今回のマイナス金利では市中銀行の日銀当座預金の一部に
適用されます。
一方、マネーストックとはマネタリーベースに信用創造分
を加算したものを言います。
信用創造とは、例えばA銀行が会社に貸出をしたとします。
その貸出を受けた会社はB銀行に預金をします。
会社の金庫に現金をしまっておくのは不安ですからね。
今度はその預金を元に違う会社に貸出をします。
このように市中銀行全体の貸出残高が雪だるま式に増えて
行くことを信用創造といいます。
要するに、マネタリーベース+信用創造=マネーストックと
なります。
日銀の金融緩和によりマネタリーベースは増加しているが
黒田日銀による異次元の金融緩和によりマネタリーベースは
前年比で30%以上増加してますが、M3(マネーストック)
増加率は約3%前後で推移しています。
市中銀行が会社への融資を増やせばM3増加率が上昇して
好景気となっていくでしょう。
日銀のマイナス金利でM3増加率が上昇してくるかどうか
鍵となってきます。
- 編集後記
日銀のマイナス金利で日銀当座預金残高が思惑通り、
企業の融資に回るかどうか見ものです。
いまのところ、市中銀行は日本国債の購入に資金を
向けてしまっています。
マネーストック(M3)増加率で景気動向をチェックして
いきましょう。