2017/05/18
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実はサラリーマンも経費の計上を認められている
(特定支出控除は会社の了解が必要。後述します。)
給与所得者の所得税の計算方法は次のようになっています。
(お給料の額ー給与所得控除)×税率
給与所得控除は年収300万円の人なら108万円、年収600万円の人なら
174万円認められています。
この給与所得控除がサラリーマンに認められている経費です。
個人事業主も経費の計上は認められていますが、その経費は実際に支出したものしか
認められていません。
一方、サラリーマンの場合は実際に支払った金額に関係なく108万円、174万などと
あらかじめ決まっています。実際に使った経費よりも給与所得控除のほうが多かった場合は、
得しているということができます。
特定支出控除とは給与所得控除をパワーアップさせたもの
特定支出控除の金額の計算方法はつぎのようになっています。
特定支出と呼ばれる経費の額ー基準額=特定支出控除の金額
上で計算した特定支出控除の金額と、いつもの給与所得控除の金額を両方たした金額が
全体の経費の額ということになります。
特定支出と呼ばれる経費とはどんなものがあるのか(限定されています)
1.通勤費
2.転居費
3.研修費
4.資格取得費
5.単身赴任者の帰宅費
6.次に掲げる費用(その支出の合計額が65万円を超える場合には、65万円の支出に限る。)
(1)書籍代
(2)衣服費
(3)交際費
これらの特定支出と呼ばれる費用の合計額が基準額を超える場合にはその超える部分の金額が
特定支出控除の金額となります。
基準額はどのように計算されものなのか
上の表は基準額を年収別にまとめたものです。年収300万の人の基準額は54万円。
年収600万円の基準額は87万円。
特定支出と呼ばれる経費の金額が、この基準額を超えたときにはじめてこの制度の恩恵をうけることができます。
会社に精算してもらうものは特定支出に含まれない
普通の会社なら通勤費、転居費、単身赴任者の帰宅費、交際費などは会社で精算してくれるでしょう。
これらを自腹を切っている人はあまり多くないと思います。ただ、給料にこれらの金額を含まれているというサラリーマンの
人もいるかもしれません。
特定支出と呼ばれる経費で使えそうなのはだいたい4つ
1.研修費
2.資格取得費
3.書籍費
4.衣服費
となるでしょう。
3.4の書籍費と衣服費は合計65万円が限度です。(それを超える金額はカウントされません。)
この4つの費用の合計額が年収別の基準額を超えると予測される人は、領収書などの証拠書類をとっておきましょう。
例えば、年収300万円の場合、基準額は54万円。研修費、資格取得費、書籍費、衣服費の合計が54万を超えそうで
あれば、この制度を使えるかもしれません。
会社の了解がないと特定支出に認められない
下の依頼書に記入して会社の了解が得られたものだけが、特定支出にカウントされます。
会社に内緒にして受ける研修はカウントされないので注意しましょう。
まとめ
サラリーマンの場合スーツは衣服費に該当します。ただ、年に多くて2着ぐらい新調するぐらいでしょう。
金額にして10万円ほどですかね。基準額には衣服費だけでは達しないでしょう。
でも研修費、資格取得費、書籍費と衣服費を合計すれば基準額に達するかもしれないという
勉強が好きな人はこれらにかかった費用の領収書を保管し、会社の了解を得ておきましょう。
(念のため、スーツを買うときは会社の証明書をもらっておくといいでしょうね)
あと、この特定支出控除制度は年収が高い人ほど利用できる仕組みになっていると思います。
リッチな人で高額の研修を年に何回も受けるという人は是非、検討してみてください。
高額所得者ほど税率が高いので、控除される金額が多くなるほど支払う税金にインパクトが有りますからね。
最後に実際にこの制度を使っている人の推移と割合です。
平成25年で急激に伸びていますが・・・・
給与所得者に占める特定支出控除利用者の割合は限りなくゼロに近いです。
給与所得者5,422万人のうち利用者は1,600人です。
ほぼゼロですが、今後はどうなるかわかりません。可能性がある人は是非チャレンジしてみましょう。
- 編集後記
金曜日に税理士登録完了のハガキが届きました。これで晴れて税理士として営業できます。
(昨日の1日1新)
カフェ・ド・クリエおかわりコーヒー